今日はアメリカ・カナダの鉱山業界の就職事情についてでも書こうと思います。
出典:Snowden Group
2000年初頭から2012年にかけて鉱山業界は未曾有の資源バブルに見舞われ、会社の業績も給料もうなぎのぼり、求人過多で鉱山技師にとっては天国のような環境でした。22歳の大学卒業したての新卒が初年度から1000万円を超える年俸を手にするのもいたって普通の状況。そんな第二次ゴールドラッシュ的な雰囲気に魅せられ、日本からカナダに出てきた私にとっては地獄のような2013年です。
下のグラフは金(gold)と銀(silver)の直近1年の価格推移ですが、両金属とも2012年の10月2日に最高値を記録してからは2013年の7月目指して急降下。そこから少し持ち直していますが、結局最高値からは25%以上の下落を記録しています。
2012年〜2013年の金価格 / 出典:BullionVault
2012年〜2013年の銀価格 / 出典:BullionVault
これでも5年前・10年前から考えるといまだに信じられない程の高値なのですが、新卒の採用に影響してくるのは直近の業績なので、この価格下落の影響をモロに喰らって資源メジャー各社(BHP billiton, Rio Tinto, Vale, Glencore・Xstrata, Anglo American)は今年は新卒採用がありません。
他の資源も直近1年だと 石油・石炭・銅・アルミニウム・ニッケル・カリウム・リン・ウラン・マンガン あたりは軒並みやられています。
反対に、鉄鉱石とタングステンは2013年の上旬は下げていたのですが、1年前から比較すると上げてきています。
ということは鉄鉱石主体のRio TintoやValeなんかは景気が良いかというとそういうわけではありません。鉱山というのは金属価格が下がるとすぐにダメージを喰らうのに、金属価格が上がるとすぐにその恩恵を被れるわけではないのです。なぜなら、鉱山会社は金属価格が下がると鉱山技師や現地労働者をクビにして鉱山を操業停止させますが、金属価格が再び上がった時に操業再開するのには施設再稼働や労働者雇用にたくさんの時間と費用(鉱山会社にとってリスク)が掛かるからです。つまり、鉱山会社というのは金属価格の大きな下落局面があるとすぐに求人を絞り、しばらく上昇局面が続かない限り求人はなかなか回復しないのです。
出典:International Mining
まぁ、そんなこんなでカナダの資源業界での新卒就職は困難を究めております。鉱山での勤務経験が5年以上あるシニアの求人は全く衰えていなくて、むしろいまだに人気なんですけどね。生まれる時期を5年程間違えたというのをヒシヒシと感じる毎日です。
それでは(´・ω・`)ノシ
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